2026/01/08 10:13




カーオーディオの音質を電源面から考えると、アースブロックやヒューズブロック、ケーブル等を含む電源経路全体の「抵抗値」が、アンプの実力を大きく左右します。
下記内容は音質にこだわる方向けの内容ですので、普通に気持ちよく聴ければ満足という方は読み進めて頂く必要はありませんし気にする必要はありません。
カーオーディオでアースブロックやヒューズブロックを”音質目的“で使う場合、もっとも重要になる指標が「抵抗値」です。
mΩ(ミリオーム)という非常に小さな単位なので軽視されがちですが、実際のシステムではこの差がそのままアンプの動作状態に影響します。
特に音が鳴った瞬間、アンプには数十アンペアから場合によっては100Aを超える電流が流れるため、抵抗値が高いとその分だけ電圧降下が発生します。これは感覚的な流れにくさではなく、アンプから見た実際の動作電圧が下がっている状態です。
カーオーディオの音質を電源面から考える場合、重要なのは特定のパーツ単体ではなく、電気が通る一連の経路をひとつのシステムとして見ることです。
バッテリーからアンプまでの電源ライン、そしてアンプからバッテリーへ戻るアースラインまで、どこか一箇所でもロスが大きければ、アンプは本来の性能を発揮できません。
電源の流れを簡単に整理してみると、バッテリーのプラス端子から電源パワーケーブルを通り、ヒューズブロックやヒューズを経由してアンプに電力が供給され、使用された電流はアースケーブルとアースブロックを通ってボディやバッテリーに戻ります。この「入口(+)」と「出口(-)」の両方が揃って初めて、アンプは安定した電位差で動作します。
まずパワーケーブルについてですが、ここで重要なのは太さだけではありません。
ケーブルが細すぎれば当然抵抗は増えますが、太さが十分でも、導体の質、断面構造、撚り方、圧着の精度によって実効抵抗は大きく変わります。
特にアンプが瞬間的に大電流を要求したとき、ケーブルにロスがあると電圧が落ち、音の立ち上がりや低音の制動に影響が出ます。
パワーケーブルは電気を運ぶための通り道なので、途中でボトルネックを作らないことが重要になります。
パワーケーブルやアースケーブルについては過去の下記記事を参考にご確認下さい。
https://carvery.official.ec/blog/2024/12/14/162632
https://carvery.official.ec/blog/2025/09/13/164330
次にヒューズとヒューズブロックです。
安全装置であると同時に、マルチシステムでは電源ライン上に必ず入る部品です。そのため、ここでの抵抗や接触ロスはそのままアンプ入力電圧の低下につながります。
見た目が立派でも、電流経路が遠回りしていたり、ヒューズ端子の接触面積が小さい構造等では、実測すると意外な抵抗値になることがありますし、見た目からでは判断できません。
ヒューズブロックは電源の入口であり、ここでロスを作らないことが音量を上げた際等にも音の余裕感に直結します。



アース側も同様に重要です。
アースケーブルやアースブロックの抵抗が高いと、音が出た瞬間にアンプのアース電位が浮き、結果としてアンプから見た動作電圧が下がります。これは、電気が流れにくいという曖昧な表現ではなく、実際に電圧降下が発生している状態です。
低音の制動が甘くなる、音像が安定しないといった変化は、このアース側の不安定さが原因の場合が多いです。
“音質用途”として考えた場合、パワーケーブル、ヒューズ、ヒューズブロック、アースブロックのすべてに共通して言えるのは、抵抗値をできるだけ低く、構造をシンプルにすることです。特にブロック類では、低抵抗なものを使用することでアンプが大電流を要求した瞬間でも電圧降下を最小限に抑えやすくなります。
逆に、ケーブルやブロック類等どこか一箇所でも抵抗が高ければそこがボトルネックとなり、他をどれだけ強化しても効果が薄れてしまいます。
ブロック類は安価で抵抗値の高いものを使っているのにケーブルだけやたら良い物に変えたり、ヒューズだけ高価で良い物に変えても変化が薄いのは上記の様な原因が多いです。
ケーブルを良いケーブルに変えるならブロック類やヒューズもそれに見合うものにしなければパフォーマンスとしてはあまり良くならないので、ブログタイトルの「電源経路全体をひとつのシステムとして考えたい」というのはそういった意味です。
製品選びで失敗しないためには、「どれだけ太いか」「どれだけ高級そうか」ではなく、電気がどれだけ素直に流れるかという視点で全体を見直すことが重要です。
電源強化とは、何かを足すことではなく、システム全体でいかにロスを減らせるかが最も重要です。
例えば、レギュレータやキャパシタ等の製品も、一見足している様に見えますが、基本的には電圧のロスや電流のロスを補うことが目的です。
パワーケーブル、ヒューズ、ヒューズブロック、アースブロック、アースケーブルを一連の流れとして整えることで、アンプは初めて本来の性能を安定して発揮できるようになります。
カーオーディオの音がどこか締まらない、余裕がないと感じたとき、原因はスピーカーやアンプそのものではなく、電源経路のどこかに潜んでいることが少なくありません。
音質にこだわる方や高価でハイエンドな機器をご使用頂いている方にとっては、電源全体をひとつのシステムとして見直すことが、音質向上へのもっとも確実な近道だと言っても過言では無いかと思います。

