2024/12/14 16:26
電源ケーブルやスピーカーケーブルについて主観も含みますが少し書いてみようと思います。
少し長文になるので、興味がある方のみ読み進めて下さい。
そもそも一般的にスピーカーケーブル含めてケーブルにおいて「音が変わる」と良く表現されますが、「音が変わる」いう表現には語弊があるのかもしれません。
音が変わると表現するとどうしても音調や音色に大きな変化があるかの様に受けとられるケースが多いからです。
ましてや言葉だけで説明すると大袈裟になってしまう感もあるので、ここでは音では無く変化する要素について書いてみようと思います。
まず、電源ケーブルやスピーカーケーブルにより変化するのはS/Nの変化(ノイズレベルの変動)が特に大きいです。
つまりは再生環境のダイナミックレンジへの影響です。
例えば、ソースを鳴らしていない時の機材のノイズをヘッドホンでモニターすると誰が聴いても分かる変化が出ます。
ケーブルの違いによるノイズの鳴り方(サーやザー)や音圧レベルの違いがはっきり出ます。
結果的にノイズでマスクされたりする微細なこの様な部分がどうなるかで聴こえ方の違いに繋がってきている部分もあるかと思います。
逆に言えばこの雑味があった方が良いという方も中にはいます。
もちろん、システム構成により機器自体が発生させているノイズの方が大きい様な場合は変化を感じ辛いとかもあると思います。
上記事項から考えると、基本的にどの様なケーブルを使用しても電気さえ流れれば音は鳴るので、そんな事まで気にしないと思う方はケーブルにこだわる必要は全くありませんし、むしろその費用をスピーカーやアンプにまわした方が良いです。
ですが、サウンドクオリティーを追求して少しでも良くしたいと思う方はノイズ等の影響をなるべく受けないケーブル等を使用した方が良い傾向になるかと思います。
オーディオというのは様々な感性を持った方が多い趣味だと感じますので、上辺や価格だけ見て高いケーブルは意味が無いとか安いケーブルはダメだとか、または安いケーブルで十分だとかそういう何かを否定や肯定する話ではないです。
使う人にとって何を選んで使うのが一番満足出来るのかというだけですが、確実に言えるのはケーブルによって雑音レベルは確実に異なるのでどの様なケーブルを使用してどこまでこだわるかを決めれば良いというだけです。
上記踏まえた上で、ノイズというのは機器自体が発生させるものと、周辺を漂う電界や磁界の影響を受けるものがあります。
特に電源ケーブルは電界や磁界の影響を受けやすいので、そういった対策が取られたケーブルがケーブルの性能としてはより良いことになりますし、対策を取るという事はどこまで対策されてるかでコストがかかるので価格も変わります。
電源ケーブルの周辺を漂う電界には、電源ケーブルのシールドにより遮蔽効果があり、車載電子機器等から放射された磁界成分等に対してはツイスト構造にする事で遮蔽効果があります。
シールドについてはアルミ箔や銅箔で覆う事により遮蔽効果がありますし、磁界に対しては細い撚り線を複数作ってさらにその束を撚り合わせる様なツイスト構造が効果があります。
また、導体の太さや撚り方により全体の強度も変わり、振動等で芯線が擦れ合ってノイズの発生原因になる可能性も減ります。
では、ケーブルの価格差って何なのかというと、これはあくまで弊社取り扱い製品に限った話で難しい事は省きますが、大きく導体と構造が異なります。
簡単に言うと高いケーブルの方が上記で説明した電界や磁界、振動の影響をより受けにくい工夫がされているという事になります。
また、そういった対策を行うために高価なケーブルはコストをかけてより良い物が使われていたりコストのかかる工法や技術が使われています。
例えば、上記2製品は弊社が取り扱うOGブランドの1,850円/m(赤枠)とHarmonic Harmonyブランドの4,800円/m(青枠)の4AWGケーブルです。価格差約2.5倍です。笑
どちらも市場にある同価格帯のケーブルと比較しても構造等はより良い物になっているかと思いますが、パッと見で赤枠の方と青枠の方どちらが良さそうでしょうか?
青枠側と答える方が多いのではないでしょうか?
見るからに青枠の方が撚りも綺麗ですしガッチリしてそうですよね!
どちらも仕様だけ見たら上記で説明したアルミ箔によるシールド構造と撚り線によるツイスト構造のしっかりしたケーブルになってます。
赤枠のケーブルでも価格以上の仕様ですが、さらに上の価格帯のものはやはり作りが違います。
赤枠側は全て同じ太さの細い導体を撚り合わせた7本の束を1束としてそれをさらに7束撚り合わせています。
青枠の方は赤枠の方より太い線(導体密度が高い線)を撚り合わせた7本の束を1束として、中心部はさらに太い導体の束を使用してそこへ6本の束を撚り合わせた構造になっています。
青枠の方が線も太く撚りも固いため、撚り線を広げても全然バラけませんが、赤枠の方は少し触っただけでバラけてしまいます。
つまりは強度が全然違います。
被覆についても写真では分かり辛いですが、赤枠より青枠の方がより密度も高く硬めの素材となっています。
上記から考えると、青枠のケーブルの方が導体密度が高いため導電性が良く、被覆や撚りが固く振動等によるノイズの影響を受け辛いというのは分かるかと思います。
ケーブルというのは、1本のケーブルの中に違う素材や違う太さのものを混ぜたり撚り合わせたり等すると製造段階のコストがかなりかかります。
弊社でいうケーブルの価格差というのはそういった構造の部分が大きな割合を締めています。
さらに価格の高いケーブルを見てみると、こちらも同じ4AWGのHarmonic Harmonyのケーブルで7,000円/mですが、こちらは先程の青枠のケーブルより被覆をさらに厚くして、シールドには銅箔を使用し、撚り線も3束純銀線を入れています。(銀メッキ線では無く純銀線です)
この辺の配合バランスはメーカーのノウハウによるものなので私には詳しい事は分かりませんが、純銀は高価ですし、銅箔もアルミ箔より高価で銅線の中に純銀線を撚り合わせてるので先程の青枠のケーブルより製造段階でかなり高いという事は分かります。
また、導電率で見ても、銀→銅→金の順で電気を通しやすいので、その辺も優位性があるという事は分かります。
このように、弊社製品で言えば価格が高い物の方が性能に対してより優位性があるというだけで、結局はどこまで求めるかという事に尽きます。
これはRCAやスピーカーケーブルでも同様です。
価格の高いケーブルの方がより良い素材と高い精度で高度な対策が取られている事は確かです。
弊社製品販売ページの各製品写真の中に導体構造等の写真があるので、そういった観点でも見て頂ければ何となく価格差による違い等ご理解頂けるかと思いますが、ものとしては弊社取扱いケーブルにおいては全て仕様面含めて価格以上の製品という事は自信を持って言えますので、選択肢の一つとして頂けたら幸いです!