2022/05/20 21:35


スピーカーユニットはマグネットとコイルで電気的に音を(振動を)発生させているのはご存知だと思いますが、そのコイルをボイスコイルと言い、コイルが巻いてある筒をボビンと言います。

近年、このボイスコイルの径を大きくした物が多く見られます。
一般的には直径25mmが多いですが、32mm、50mm、中には75mmの物も小型スピーカーユニットに存在します。
ボイスコイルの径が大きいほど、高域の再生が難しくなりますが、反対に低域のスピード感を高め、低域の解像度を上げる効果があります。

フルレンジでは25mmが一般的なのはそうした理由で、大型ボイスコイルを使用したスピーカーを使う場合は、一般的にツイーターに任せる周波数帯が増える事になります。

また、大型のボイスコイルを瞬時に動かすには、それ相当の電力が必要です。
大型ボイスコイルのものでもエッジやダンパーの仕様によりヘッドユニット内蔵アンプ等でも比較的鳴らせる設計になっているスピーカーもありますが、アンプ自体の音質差は別として、殆どは出力の高い外部アンプで鳴らした方が良好な結果を得られます。
よく内臓アンプでは厳しいとか言われるものはボイスコイル径やダンパーの硬さ等の理由もあり、別途パワーのあるアンプを導入した方が良いです。

アンプにも方式や使われている部材等により音質的な癖があるので、アンプにより音質も変化しますが、大型ボイスコイルを採用しているスピーカーは特にパワーのあるアンプの有無で音質にも差が出ますので、大型ボイスコイルの高価なスピーカーを購入してヘッドユニット内蔵アンプで鳴らしている様な場合はせっかく高いお金を出して良いスピーカーを導入しても「こんなもの?」と思ってしまい、結局満足出来ずに他のスピーカーを買い直す結果となったりする場合もあるかと思いますし、その様な状態は非常に勿体ないと思います。

スピーカーを選ぶ際に、お使いのシステムによってボイスコイル径等も考慮しなければスピーカー自体を鳴らしきれていないといった状況も発生する可能性があるので、スピーカーを選ぶ際にヘッドユニットで鳴らすのか?外部アンプで鳴らすのか?等を考慮して選ぶ必要があるかと思います。

次回はスピーカーのダンパーについて書きたいと思います。