2022/05/13 14:07
私の主観も多く含みますが、この記事が少しでもスピーカー選びの参考になれば幸いです。
一度に書くと長文になるので、何回かに項目を分けて投稿していきます。
良く、「求めている音質と違う」や「好みの音質では無い」といった理由でスピーカーを何度も買い換えてしまう方がおりますが、スピーカーのみの変更で理想の音質を手にするのは博打みたいなものだと感じます。
スピーカーから音が出るまでに、音楽ソースがあり、音楽ソースを再生する再生機器やアンプがあり、再生機器やアンプの電力があり、音楽信号を送るケーブルがあり、固定されたスピーカーがあり、大まかですがそれらを経由してやっとスピーカーから音が出ます。
特にドアスピーカーは、例えば異なる車両へ同じスピーカーを取り付けた場合、そのままでも割と高音質に鳴らせる車両もあれば同じスピーカーを使っているとは思えない程の鳴りにしかならない車両もあります。
それはドア形状や取り付け位置、板金の厚みや剛性等が車両によりそれぞれ異なるので、背圧の抜け方や反響音等の影響で同じスピーカーでも車両により全く違う鳴り方になったりする場合もあります。
スピーカーは音が出る最下流で電気信号を音に変える部分ですので、ここを交換する事で音質的な変化は一番感じやすいですが、この部分のみでは理想の音質にするにはやはり限界があるかと思います。
好みの音じゃないとスピーカー自体を切り捨ててしまう事は非常に勿体なく、それこそオーディオ沼に足を突っ込んだ状態かと思います。
そもそも、自分の音質的好みが何なのかを理解していないと見た目等で「なんか良く分からないけど音が良さそう」といった理由だけで選んでしまい迷走しますので、「温かみのある音」「輪郭がはっきりした音」等自分の大まかな好みは把握しておく必要があります。
自分の好みを理解し、スピーカー自体の構造等から音質の傾向を把握し、スピーカーを選ぶ段階で自分の好みを考慮出来れば失敗も少なくなるかと思います。
また、スピーカーの価格は製品によりバラツキも激しく、高ければ高いほど自分好みの音質という物でもありません。
開発費が多くかかっていたり、代理店が利益を多く取っていたり、販売までに中間業者が間に入りすぎているとか、高級機になればなるほど少量生産による手間や人件費、高級機故のアフターフォローの為の費用等販売価格にオンされるため単純に製品原価に対する価格では無く、その他の要因でメーカー品含めて販売価格が高額になる要素は様々あります。
大前提としてスピーカーという物はせいぜい20点~30点程の部品を組み合わせた工業製品ですので、理屈的にはブランドや生産工場が異なっても同じ部材を使用して同じ組立精度で物を作れば同じ音が出ます。
決してブランドのロゴが付くことで音質が良くなるといったことはありませんが、メーカー品のハイエンド機は見た目にもコストをかけて豪華に仕上げている物も多くあるので、見た目によるプラセボ効果もあるかと思いますし、それを狙っている商品も実際には数多くあります。
良く、○○○○○らしい音質等言われる事もありますが、ブランド名が音質に影響を与えてる訳では無く、ブランドは理想とする音質のイメージを明確にもっているので、その音質に近づけるための設計思想が一貫しており、ターゲット価格によるかけられるコストの中でその音質に出来るだけ近づく様な設計を行っています。
ですので、価格帯が高い製品はその分コストもかけられるので、そのブランドが理想とする音質に限りなく近いと言って良いかと思いますが、それが聴く人にとって理想の音質かは別の話しです。
ですので、ブランドで選ぶ場合はそのブランドの理想とする音と実際使う方の理想とする音に共通点が多いブランドの製品はその人にとって非常に高音質に感じるはずです。
ですが、ブランドの理想とする音と実際使う方の理想がかけ離れている場合は、そのブランドのハイエンドモルを使用しても音質的な高い満足感はあまり得られないかと思います。
当店はブランドにこだわるのではなく、様々な音質的な好みに対応出来る様な商品のラインナップで、スピーカー自体の使われている材料や造りの良い物にこだわって仕入れを行っているので、メーカー製のハイエンドモデルの1/3~1/5程度の販売価格でメーカー製ハイエンドモデルと肩を並べられる様な製品を多く取り扱っています。
また、品質に関しても工場と直接取引きを行い、品質に対するコミットメントを必ず得ており、当店でも最終的な検品を行っているので当店が販売している製品に関しては海外製品だから品質が不安等の心配は無用です。
良い音というのは他人では無く、聴く人本人が聴いて一番気持ちよく聴ける音質がその人にとって一番良い音ですので、見や目やブランドにこだわらずにとにかく音質を重視したい方は次回以降の投稿を参考にスピーカーを選べば恐らく失敗も少なくコストパフォーマンスの高いオーディオを構築して頂けるはずです。
また、上にも書いた様に、当店も様々な音質的な好みに対応出来る様な商品のラインナップにしていますが、よく「どちらが高音質ですか?」とのお問い合わせを頂く事が多々あります。
正直、高音質の中でも人それぞれ細かい好みがあるので、回答としては「どれも高音質です」という回答になり、当店で扱っている商品で言えば音質的な好みの差しかありません。
当然、価格差がある物については使っている材料や構造による原価の差があるので、高い製品の方が細かい部分の表現力等音質が良い傾向ですが、お使い頂く方にとって高い製品の方が満足できるかは好みによる所となり、ここがオーディオの難しさでもあるかと思います。
上を見たらキリが無いですが、当店で扱っている商品は上にも手が届く様な商品を選りすぐって扱っていますので、お取り付けと調整をしっかり行って好みに合致さえすればどれも間違いない商品かと思います。
次項は、音を決めるスピーカーの重要なパーツとしてのコーン紙(振動板)について記載ています。