2022/05/21 22:58
マグネットの大きさや種類も音にかかわる重要な要素です。
一般的にはフェライトマグネットが多く、昔のアルニコマグネットや最近はネオジウムマグネットなども多く採用されています。
価格的にはフェライト < ネオジウム < アルニコの順となります。
アルニコは昔のスピーカーでは主流として多く使われていいましたが、材料のコバルトの価格が高騰した結果、アルニコ磁石の価格も高騰しました。
アルニコ磁石は保磁力がそれほど強くないので、長期間使用すると減磁してしまい、一度減磁した磁力は自然と戻らないということがあります。
つまり、長期間使用すると当初に比べて音質劣化するという欠点があります。
アルニコは工業製品に使用するには価格が高くなりすぎたため、価格の高いアルニコ磁石に代わって、広く使われるようになった磁石がフェライト磁石です。
フェライトは磁気応答性をもったセラミックスの一種で、資源も豊富で安価に製造可能です。現在はほとんどのスピーカにフェライト磁石が利用されています。
フェライトは加工製が良くリング状に出来るため、スピーカーに使用した場合は外磁型で奥行きを抑えられ、車載スピーカーでは多く採用されています。電気抵抗が高いためアルニコと比較すると音質が劣ると言われています。
現存するマグネットで最強とされるネオジウムマグネットも昨今ではハイエンドスピーカー等に多く採用されています。
ネオジウムマグネットは希土類を使用している事と特許の絡みがあり高価ですが、最強の磁気特性のためスピーカーに使用するには非常に良い磁石です。しかし、高温時は特性が悪くなるので、高温環境下での使用や大パワーウーファー等では使用出来ません。
磁力が強いほうが安定したスピード感のある音を出せますし、重いコーンや大径のボイスコイルを動かす際には大きなマグネットが必要になります。
安価に製造可能なフェライト、昔の最高磁力のアルニコ、現在の最高磁力のネオジムの3種が殆どですが、アルニコは経年劣化し、フェライトとネオジウムは熱に弱く温度により磁力が変わるというデメリットもあります。
磁力が強い方が、ボイスコイルがスムーズに働き、正確な再生ができます。
磁力だけでなく磁束密度も重要ですので、スピード感を求めるならカーオーディオではネオジウムが非常に良いかと思います。
次回はツイーターについて記載致します。